今回のプッシュ!で異彩を放つ「ゲームするしかない君へ」。話題の映画「アフロ田中」で映画監督デビューも果たした若干26歳の劇作家、松居大悟氏初の漫画原作を、オオイシヒロト先生が激筆するという異色のコラボ作品です。ヒリヒリと胸を抉る負け組男子の青春譚をぜひ「感じて」下さい!!!

—まずは今までの主な作品を教えて下さい。

松居:映画「アフロ田中」(監督)、舞台「極めてやわらかい道」(脚本・演出・出演)、ドラマ「ふたつのスピカ」などなど。ジャンルにこだわらず、面白いと思ったものを色々とやっています。

オオイシ:つい最近までヤングキングにて「ごくべん」という極道弁護士漫画を連載していました。12月末に単行本が出るのでよろしくです(宣伝すいません)。

—初の漫画原作を書こうと思った経緯を教えて下さい。

松居:高校生まで漫画家になるのが夢だったんです。何本か書いて出版社に持ち込んだりしていたのですが、傷つく言葉をたくさん言われて挫折しました(笑)。それでも、視覚的に絵を作るのが好きだから舞台や映像をやっていたのですが、編集さんが舞台を見に来てくれて、抑え込んでいた漫画家の夢が再燃しました。

—劇作家の漫画原作という一風変わった原作を漫画化してみていかがでしたか?

オオイシ:シンプルな説明とテンポいい台詞のやりとりで成り立った物語は、様々なイメージを自由に想像することを託されたようでえらくプレッシャーでした(笑)。

—本作を書く(描く)際、苦労したことは?

松居:一番は、主人公の「勇者」の気持ちをどれぐらい説明するか、という所です。今回は、勇者の生き様というか、主役になれない男は、どうやって自分の気持ちを処理するの?というテーマの元、バンドマンみたいに叫べないし、飲んでスッキリもできないし、もうどうしようもないから一人でゲームをする、という地味さを圧倒的に肯定したいと思って取り組みました。

オオイシ:原作のテンポと内なる感情の表現を、絵としてどう表現するか?ということに右脳が溶けそうになりました。

—一番見てほしいところはどこですか?

松居:やっぱ絵ですね。原作なんてどうでもいいんですよ。オオイシさんが、いかに魂を込めてくれたか、を見てほしいし、僕も一番見たい所です。たぶんこの作品は理屈じゃないんで、難しいことを考えず、頭空っぽにして、「うおおーヤベぇえええー!」とか叫びながら読んでいただけると幸いです。

オオイシ:ラストの勇者の孤独な戦いと妹の足。

—最後に一言お願いします。

松居:今回、こんな素敵な機会をくださった編集さん、命を吹き込んでくださったオオイシさんをはじめ、関わった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。夢が見れました。そして不思議なもので、夢を見たらさらに夢見たくなっちゃいますね。とりあえず、「ゲームするしかない君へ」変な肌触りかもしれませんが、よろしくお願いします!

オオイシ:原作の魅力を最大限に引き出せれていたら幸いです。ぜひ読んで感じとってください!


「負け組」「下流」「コミュ障」「非リア充」。そんな言葉が世に浸透するほど、本当の弱者の気持ちはもう、誰の耳にも届かないのかも知れません。そんな彼らの、声にできなかった言葉が、松居さんの舞台に響いていて今回、声をかけさせて頂きました。作画は最初からオオイシ先生と決めていました。「叫べなかった青春」がここにはあります。そんな主人公の「生」の声が音の聞こえない「漫画」から聞こえてきたら、一担当者として心から嬉しいです。

アキヤマ